Hプロセス工法HORIZONTAL CONTROLLED FLOW POURING PROCESS
Hプロセスとの歩み
1981年にイギリスである新しい工法が開発され、鋳物業界で話題になりました。
開発したのはW.H.Booth&Co社です。
その工法はHorizontal Controlled Flow Pouring Process(Hプロセス工法)と呼ばれ、一度に多数の高精度な鋳物をローコストで作ることができました。
当時の社長旗野はその工法にたいへん興味を持ちました。
地元である会津の地で何か新しい技術を育てたいという思いがあったからです。
そこで旗野はイギリスへ足を運び、W.H.Booth&Co社と交渉を行い、1982年にHプロセス工法の専用実施権を得ることに成功しました。
早速、会津工場でテストを開始。しかし、Hプロセス工法は高品質な鋳物が鋳造できる一方で、高度な湯流れ制御技術を必要とします。
会津工場では複雑な制御に手を焼き、思うように鋳造ができませんでした。
何度やってもうまくいかず8割が不良品というあり様でした。
それでもあきらめずに何度もトライ&エラーを繰り返していくうちに、改善、改良点が分かるようになり、徐々に技術がついてきました。
試行錯誤の時代が2年間ほど続きましたが、あきらめずに積極的に投資も行いました。
そして1986年頃には金型工場を設け、金型製作も自社で行う体制を整えました。
Hプロセス工法はこれまでなかった新しい鋳造技術なので金型を外注に依頼すると細かなニュアンスが伝わらない、そうであれば自社で行うしかないというのが金型の内製化の理由です。
1988年頃までには熱処理工場、切削加工工場を立ち上げ、品質保証体制を整え、導入から7年後には世の中にPRできるようになりました。
山のような不良品と戦った時代もありましたが、あきらめずに探求を続けることでHプロセス工法そのものも大きく進化させることができました。
またそれに伴い設備や工場の増築も行い、さらに品質保証の強化も進め、自社一貫体制を構築していきました。
現在では安定した量産体制で鋳造することができ、世界の自動車メーカーなどに部品を供給しています。
イギリスで生まれたHプロセス工法ですが、遠く日本の会津で磨かれ続け、独自の進化を遂げたと自負しています。これだけの体制を実現できているのは世界でも当社だけです。